■激汚れキャストホイールを退治!!

 

今回は94年式ファットボーイの純正フロント・リアホイールを題材に一部始終載せております。

さっそく取り掛かって参りましょう!!とりあえず、作業前の状態をご覧下さい。

 


 

結構、痛んでいます。黒くみえるのは主にアルミの腐食とブレーキダストの混合です。

この状態はアルミホイール表面が傷んで頭をかかえている方の大半がこの様な状況になっていると思います。

フロント・リア共に同じ状態でした。

■まずは下準備を・・・

今回は水やクリーナーも使用するためにベアリングに水が入らないよう、

予め塞いでおきます。

 

 

■スペック表

 

研磨材

磨きのコンビ!メタルコンパウンドマグポリッシュ)

ミラーグレーズ メタルポリッシュ(ホワイトダイヤモンドで代用可能)

クリーナー

ピグスノット・スーパークリーナー

(ホイール&タイヤクリーナーで代用可能、そして洗浄力も上です。)

生地洗ったネル・使い古しの柔らかい攻撃性の低い雑巾
ヤスリ400番の高品質耐水ペーパー・3M塗装用スポンジ研磨剤3種
道具今回はすべて手磨き・ワイヤーブラシや毛先の少し固めのブラシ
その他やさしい気持ちと忍耐
撮影・解説メカDr.masa
今回の磨き人女性スタッフHana (ナント、当時・中学生!)

 

その工程を重ねるごとに変わっていくのがお解かり頂けると思います。

今回は「下地の仕上がり」がいかに大切かを重点的に取り上げていきます。


■工程1 ~汚れ落とし~

まずは汚れ落としの工程からです。

 

スーパークリーナースポンジ研磨剤のスーパーファインを使用し、表面の汚れなどを予め取り除きます。

 

これは、先に汚れなどを取り除いた方が効率的に行えるのと「下地を整える」と「汚れ落とし」とは分けて行った方が良いからです。

 

より良い下地作りにはかかせません。


 スポンジ研磨剤の特性を活かした汚れ落としもご紹介。

このスポンジ研磨剤は細やかな隙間にも、その柔軟性のお陰であまり苦労せず簡単に汚れを除去することが可能です。

これの応用が「ステンレスブレーキディスクの汚れ落とし」にも可能です。



  
 


■工程2 ~良い下地作り~

 

先ずは400番の耐水ペーパーで、再々ペーパーを水できれいにしながら作業を行います。

水で流しながらでもいい位です。

流しながら行わない場合は中性洗剤などを水に溶かし、ヤスリに含ませて磨いてみると潤滑効果も得られ、なかなか良いです。

その後、スポンジ研磨剤3種で番手を上げて行きます。

スポンジ研磨剤でも、水を再々変えるや流しながら行うことをお勧め致します。

 

ここで、終的な仕上がりまで影響してしまうのが400番の耐水ペーパーとスポンジ研磨剤のスーパーファインで行う作業です。

 

早く結果を出したい気持ちも分かりますが、粗い番手で力いっぱい磨くと深い磨き傷が入り、番手を上げていっても消えなくなります。力はいれずに浅く浅く磨きます。

ウルトラファイン・マイクロファインは仕上げに当たります。

どれだけ、下番手で磨き傷をつけないようにし、滑らかな表面に仕上げていくかが肝です。

【下地での番手の移り変わり】

400番ペーパーヤスリ 粗い

スーパーファイン(スポンジヤスリ赤) #320~#600

ウルトラファイン(スポンジヤスリ青) #800~#1000

マイクロファイン(スポンジヤスリ緑) #1200~#1500

 

ここでポイントのまとめ

  • 水で洗い流しながら作業する、水で溶いた中性洗剤などで潤滑させながら作業する。
  • 400番のペーパーやすり、スーパーファイン等の洗い番手では深い磨き傷が入らないよう注意する。
  • それぞれ「この番手じゃ、これが限界かな」というところまできたら次の番手に移りましょう。
  • ペーパー・スポンジ共にヤスリ面が減ってきたら潔く捨て、新しいヤスリで磨く。

 

 


★下地作りの詳しいコツ等はアルミ地の下地完成マニュアルをご覧下さい。




 

時々ご質問を頂き、困惑するのですが・・・

先の画像の様な状態のホイールを「簡単にツヤっときれいにしたい」とのこと。

経験上、簡単にはできません。というか無理です。

一度サビさせてしまったら、覚悟を決めて挑戦してみてください。



 

出来上がった下地はこの様な感じになりました。


 



 

 

■工程3 ~コンパウンドで仕上げる~

 

下地が完成した為、次にメタルコンパウンドマグポリッシュ→ミラーグレーズのメタルポリッシュ(ホワイトダイヤモンドメタルポリッシュ代用可能)へと移っていきます。

メタルコンパウンドでかなりしつこく磨き倒します。

全体的に光沢がでて、メタルコンパウンドで磨いても光沢がでてこなくなりましたら次にマグポリッシュへと移り、その後ミラーグレーズのメタルポリッシュへと移ります。

ミラーグレーズのメタルポリッシュはかなり高番手の研磨剤です。

良い光沢を求めるなら必要不可欠な存在ですが、中途半端な仕上がりでは金額の高いばかりの研磨剤で本領発揮できません。

その辺りは「磨き手」の腕の見せ所です。

 

磨いた後は、ピグスノットWAX(ラスターレースポリッシュ&シーラント代用可能)を散布し、きれいなウエスで残った研磨剤の黒いカスを取り除きます。

各研磨剤(メタルコンパウンドやマグポリッシュ)の移り変わりによる光沢の違いはこちらをご覧下さい。

 

■FINISH!!! 出来上がりました!






 

なかなか良い光沢がでてます。

Before→Afterのなんとかの巧みではありませんが、する前とした後では見違えるほどのホイールへとなりました。

ホイールが喜んでいるように見えるのは筆者だけでしょうか・・・。

 

研磨した後に、サビさせないようにラスターシールなどを散布する事をお勧めします。痛み方が数倍違います。

 

■今回の磨き人Hanaちゃんより一言

本当に大変な作業ですが、ホイール激汚れ→鏡面にしたい方は勇気を持ってぜひチャレンジしてください!

当時中学生だった私で、フロントとリアの2本、表裏あるから合計4面を仕上げるのに 昼~夜までかかりました><;

ホイールを下地から磨くコツは"忍耐と集中力"です!

適度に休憩を挟み、今日はフロントだけ!来週はリア!など、日にちを分けるのがオススメです!

ビフォー・アフターは励みになるので写真は撮っておくと良いです。

 

 最後に、、下地は一番大事です!特に荒い番手の時に全てが決まります。 ポイントを抑えれば誰でも出来ます。

 

 以上!