アルミ地の下地完成マニュアル

店長はなまるによる下地講座です。
今回は3Mスポンジ研磨剤で下地をつくるに当たってのコツなどをご紹介します(^^)
金属の素材にもよりますが、アルミは手順とコツさえ掴めば確実に美しく仕上がります。
「思った程綺麗にならなかった」という方はこちらを参考ください。



題材はこちら。CVキャブレターのスライドピストンです。
キャブの加工でお預かりして、ピカピカにしてお返ししております。
その際、磨く作業にあまり時間を掛けないでどれだけキレイにできるか!という戦い。
この状態からコンパウンドで磨いても、もちろん、キレイな仕上りにはなりません。
コンパウンドで磨くには荒地すぎるのです。
まずはもっと荒い番手で下地を作るのですが、その下地が鏡面にはとっても大切なステップ!
下地をキチンと整えないと納得できる仕上りにならないのです。
今回、下地作成は3Mスポンジ研磨剤を使用します。
下地の作業は「磨く」というより「ヤスリで傷つけて、番手を上げていき、徐々に傷を細かくしていく。」といった方がニュアンス的には合ってます。
それではいきましょう。


1番手はスーパーファイン


番手が荒ければ荒い程キズがたくさん入りますよね
力いっぱい磨くと良い結果になりません。
深い傷が入り、番手が上がっても消えないので注意してください。
表面を浅く、浅く、削ります。
絶対に力は入れずに、素早く手を動かしましょう。

●縦方向に磨き、次はその逆の横方向に磨き、縦方向のキズを見えなくし、
また縦方向に磨き・・・・を繰り返します。




「この番手じゃ、これが限界かな」というところまできたら次の番手に移りましょう


2番手ウルトラファイン


ポイントは、番手はしっかり踏むことです。
磨くとなぜ光るのか?
それは表面の反射です。

荒い研磨剤で表面を荒らすと表面の凹凸が激しく乱反射し、白っぽくなりますよね。

研磨剤で「キズ」を細かく細かくしていくことで
表面の凹凸も平たんになっていき、乱反射も細かくなり、だんだん光ってくるのが分かります。

ウルトラファインを終えたところです。スーパーファインに比べ、傷が細かく、すこし光っている所まできたら次の番手へ行きます。


3番手マイクロファイン


マイクロファインに差し掛かると下地の完成が見えてきます。
ボヤッと光り、これで完成。 

磨くのが上手な方は、この時点で既にぼんやりと鏡のように物が映る状態になります。

■番手ごとの移り変わり

1・・・スーパーファインのみ使用
2・・・スーパーファインウルトラファイン使用
3・・・スーパーファインウルトラファインマイクロファイン使用

お分かりいただけますか?
例えば1や2の状態から磨きのコンビなどの研磨剤で一生懸命磨いても大して光らないんです。
キズが荒く、コンパウンドでは磨ききれないからです。
しっかり下地の順序を踏むことが大切なのです。

また、今回は分かり易くする為使用していませんが
潤滑を良くするのと目詰まりを防ぐ為に水で溶いた中性洗剤灯油等を使用するとより作業効率もよく、仕上りも良い結果になります。

バケツなどに用意しておき、研磨剤の目に詰まっている削った金属を洗い流しながら作業すると良いでしょう!

 

下地が完成したらメタルコンパウンドなどの荒い研磨剤から磨きましょう
この状態から磨きのコンビ!で磨くと驚くほどキレイに仕上がります。本当に鏡面になります。

しかし、作業には時間が限られている為、パワーボールmini×パワーメタルで磨きます。

今回使用したのはこちら!


パワー(機械を使って磨く)専用ケミカルです。

パワーボールは金属などを磨く為の丈夫なスポンジツールです。
普通ドリルに装着し使いますが、今回はボール盤に固定!こんな使い方もあるんですよ~。

コンパウンドをつけて回転を利用して、手磨きより素早く磨けます。


そうしてラスターシールで残った研磨剤を拭き取り、艶出しをしたのがコチラ。



■比較(左:下地からしっかりと磨きこんだもの 右:純正時のスライドピストン) 





参考になれば幸いです。